新春の飾り絵を依頼された。
正月といえば、お目出たい定番の一つである
「松竹梅は」という話になったのだが、
何か抵抗があった。
「日本橋髙島屋80周年記念 襖絵」
日本橋高島屋＜東京・日本橋＞　2013/1
「紅い象は富の象徴、白い象は長寿の象徴」
「紅白のエレファント」という画題が浮かぶのだが、
とはいえ、髙島屋の正月飾りには、唐突で無理がある。
ちょっと躊躇していた時だった。

戦後、日本橋髙島屋の屋上に「高子」という小象が
クレーンで上げられ話題になった。

それが絵本になったという話が舞い込んできた。迷いは晴れた。
辰巳の空に向かって平和の鳩と飛ぶ
「紅白のエレファント」をてらいなく描き上げた。

■日本橋タカシマヤ
所在地：〒103-8265 東京都中央区日本橋2丁目4番1号
電話：(03)3211‐4111
WEBサイト：https://www.takashimaya.co.jp/tokyo/

SOU・SOUとKi-Yan Stuzioは、
木村英輝の絵を通じてコラボ商品を展開してきた。
「WATER LAND」
SOU・SOU 〈京都・花遊小路〉　2009/03

その発祥でもある、花遊小路SOU・SOUに
“水辺に遊ぶ”を描いた。

地下に向かう階段を降りると、
睡蓮と沢瀉、
そしてカメが泳ぐ壁画がお客様を迎える。

■SOU・SOU
所在地：〒604-8042　京都市中京区新京極通四条上ル二筋目東入ル二軒目P-91ビルB1F
WEBサイト：http://www.sousou.co.jp/

日本橋のメルクロスビルの最上階９Ｆに
天井に泳ぐニゴロブナを３６ぴき。
「Nigoro buna,From Lake Biwa」
メルクロス株式会社＜東京・日本橋＞　2014/8

このビルのオーナーの先祖は
近江八幡より４００年前に江戸へ。

近江、琵琶湖のフナ寿司になる
ニゴロブナに特別な思いがあった。

■メルクロス株式会社
所在地：東京都中央区日本橋3-3-9
WEBサイト：http://www.mercros.co.jp/

京都・木屋町松原にあった
リバー・オリエンタルの「笑う象」が
耐震問題により無くなった矢先でした。
「Smiling Elephants」
ビューティ岡本 沼津店＜静岡・沼津＞　2008/09

沼津のビューティー岡本さんより「笑う象」の依頼がありました。
オーナーは象が好きとういうこともあるが、
何か僕の象に“感じるもの”があったという。

京都に来るたびに、リバー・オリエンタルでの
「笑う象」が一番よく見える席を予約して食事をしていた。
そんな中で、自分が新しい店を建てる時は、
絶対に象を描いてもらおうと決めていたそうだ。
その時が来た。
何か因縁めいたものを感じました。

■ビューティ岡本
所在地：〒410-0001 静岡県沼津市足高322-100
電話番号：055-920-2065
WEBサイト：http://www.beauty-okamoto.com/

円山公園・長楽館の西側の１階
レストラン＆ブライダルパーティーのできるホール
「コーラル」の天井から側壁に描くという話がきた。
「Love Doves」
長楽館＜京都・八坂＞　2007/12

私が住む地域に鳩で有名なお寺三宅八幡宮がある。
「愛の白い鳩」を求めて鳩のスケッチに出かけた。

スケッチ画を残すというより、鳩が飛ぶ姿をとらえたかったからである。

■レストラン　コーラル
所在地：〒605-0071 京都市東山区祇園円山公園
電話番号：075-561-0001
WEBサイト：http://www.chourakukan.co.jp/

くろちくの黒竹社長が、
祇園くろちくビル、倭美坐とKIZASHI THE SUITEを
プロデュースすることになった。
京都くろちく・祇園【倭美坐】「Festive Alley」
KIZASHI THE SUITE「Black Deers / White Tiger」
＜京都・祇園＞　2009/01
その空間に蝶と紅葉と竹を描いてほしいと言う。

蝶は倭美坐の回廊、
紅葉と竹は３F・４FのホテルKIZASHI THE SUITE。

３Fの階段周りに、紅葉と相性の良い鹿を、
４Fの階段周りには、竹を黒竹に、そして大きな白い虎を３匹描きあげた。

■倭美坐 / KIZASHI THE SUITE
所在地：〒605-0073 京都市東山区祇園町北側275
WEBサイト：倭美坐 [ http://www.wabi-the-garden.jp/ ]
　　　　　 KIZASHI THE SUITE [ http://www.kizashi-gion.jp/ ]

祇園・芸妓の佳つ乃さんの第一印象は、
エメラルドグリーンの目をした黒豹だった。

「Black Panther」
佳つ乃 やまがた＜京都・祇園＞　2007/01
知人を通じて、私の象を見ての依頼だった。
襖に黒豹を描くことにした。

美意識「はんなり」の対極にあると思われる
私の絵を選んだのは、
ロック世代の芸妓の挑戦ではないだろうか。

佳つ乃 やまがた＜京都・祇園＞　2007/01