屏風で体感!夏の京都
カテゴリー:Ki-Yan Stuzio
2016.07.22
本日は後祭りの宵々山ですね。
各山鉾町のお店やお家では家宝の屏風や工芸品などを飾り、道行く人々の目を楽しませてくれています。展示品に屏風が多いので、別名「屏風祭り」と呼ばれています。
お祭りの幻想的な雰囲気の中、美術館に納められているような貴重な品々を間近で見られるのはなんとも感慨深いものがあります。
しかし屏風があるのは山鉾町だけじゃない!京都高島屋さんで開催されている「祇園祭なう」でも木村英輝の屏風を見ることが出来ます。その中から夏に相応しい2点をご紹介します。
1階ゆとりうむの六曲一双屏風『祇園祭絵図屏風』
1996年に描いた作品。丁寧に細かく人々の衣装や山鉾、建物が描かれており、今の大胆な表現とは異なりとても新鮮です。
しかし艶やかな極彩色の色使いはキーヤンらしさを感じます。
キーヤンスタジオのすぐ前にある八坂神社さんも。こちらは花傘巡行の様子ですね。画面全体からお祭りの熱気や賑わいが感じられます。細かい部分をじっくり見ても発見があって楽しめますよ。
もう一つは高島屋さん7階に展示されている二曲一双屏風『Thank the Summer絵図屏風』
少し薄暗い場所にひっそり展示されているこちらの作品。暑い夏を乗り切る為の活力源、京野菜や魚が描かれています。1階に展示されている同タイトルの駒形提灯は目の覚めるような鮮やかなウルトラマリンですが、今作は控えめな淡い水色が基調で落ち着きのある優雅な印象。
よく見てみるとミラーシートや
螺鈿シートが使われており、キラキラ輝いてとても夏らしく爽やか。
螺鈿は貝殻の内側部分を切り出したもので日本では工芸品によく使われてきました。アクリル絵具で描いているのに、屏風や螺鈿といった日本的な素材を用いても違和感が無く、自然に馴染んで調和しているので不思議な感じがします。個性の異なるものを取り入れ、自然に融合させて新しい己の表現にしていますね。
祇園祭も残すところあと僅か。「屏風祭」は23日、高島屋さんの「祇園祭なう」は24日までとなります。夏の京都でしか味わえない屏風の美しさをご堪能下さいませ。
祇園祭絵図屏風の商品