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Ki-Yan Works【『宴』全貌公開】

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カテゴリー:お知らせ, 壁画制作, 壁画以外の受注制作, イベント, Ki-Yan Stuzio, Ki-Yan Gallery

2025.03.21

昨年5月制作の超〜巨大作品!!『宴』の壁面装飾。

『宴』の本番当日は2024年8月中旬。

オークラ東京の大宴会場にて、3日前から組立作業が開始されました。

縁の装飾も付けられ、大きな襖のようなイメージに仕上がりました♪

組立作業と平行して、組み合わせが複雑な廊下部分の絵を最終手直し!

制作中には見えなかった側面が現れ、抜けや重なり部分の欠けを直し終了!!

いざ、『宴』の世界へ‼︎

入り口には提灯で灯りが灯され雰囲気たっぷりです。

通路には赤い欄干の装飾もつけられ、コイが泳ぎ誘う黄金の川辺を案内されているようです。

   

  

そんな通路を抜けると!!

黄金の間に阿吽の登竜門!!天井には雲が浮かんで、異空間に入り込んだよう!!

倉庫で並んでいた時より、迫力が倍増‼︎凄まじいエネルギーです⭐︎

この空間で10組20名のゲストに豪華なお食事と贅沢な舞台がもてなされるのです♪

当日、キーヤンは激レアのフォーマルスーツ、奥様はキーヤン直筆の帯を締め、一夜の『宴』を堪能。

「浮世離れのひと時。竜宮城に居たみたい。」との感想でした♪

     

『宴』の詳しい内容は和楽さんのWEBページにて紹介されていますので、是非ご覧下さい♪

日本文化を世界に発信する「宴」。特別ゲストだけの豪華な世界をレポート!

     

▼木村英輝オフィシャルサイト/WORKS

〈Carp is Dragon in Heaven〉『宴』

 

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Ki-Yan Works【『宴』壁面装飾】

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2025.03.14

遡る事、昨年5月。。。

作品制作の為スタジオを飛び出し、京田辺のとある倉庫にて

約1ヶ月に及び、超〜巨大作品の制作に取り組んでおりました!!!

   

    

ホテルの宴会場に一夜限り!黄金の間が出現し、

特別な10組20名のゲストが招かれ『宴』が行われるという幻のような本当のお話

 

その黄金の間の壁面装飾をとご依頼いただきました!!

↑黄金の間を上から見た模型↑

通路を通り、部屋に入ると四方全方向が舞台になるという、贅沢な空間⭐︎

通路含め、金色の壁面全てに描くのです!!!

    

総メーター数はなんと約50m ≡3

高さも最大3.5mと大きすぎるので、舞台美術さんの倉庫お借りしての制作となったのです。

  

大きなトラックで倉庫に運び込まれたのは、無数の金の板。

仮組立をして頂き、高さ2.7mの眩い壁面が立ちはだかりました!

なんせ総メーター数が50m!一気に並べれるわけもなく分割作業。

まずは通路から‼︎

早速、竹の棒で描き始めます!!!

ギンギラの中に現れた、今回のモチーフはコイ。

黄金の運河を大きなコイが優雅に泳ぎ始めます♪

金の縁取りも追って、どんどん入れています。

今回の壁の面積。絵の具も大量に必要となります。

金色はタカラ塗料さんに一斗缶で発注!画材も大量の準備で挑みます‼︎

そして、今回の制作で大活躍のスペシャルなアイテム!!

大道具さんが今回のために製作してくださった階段台車!!!

可動式で高い場所の作業も安全でスムーズに行えます⭐︎

金のクロスは滑りが良く、特に金の塗料は乗りにくい!!

全てを2度塗りし、くっきりとコイを浮かび上がられないといけません≡3

この壁面量&高さ、、中々の作業です。。。

無心で描き続け、、、向かい合った金の壁面全体にコイが泳ぎわたりました‼︎

これより色入れ開始です⭐︎

まずは、黒いコイから配置を決めバランスを見ていきます。

黒のコイが決まると、他のコイも色指定が入り、塗り進めていきます!!

全体のカラーはシルバーグレー。

色の入ったコイから順番に、キーヤンにより目が入れられ魂がこもり始めます。

シルバーカラーのコイは影も入り、開始から約2週間

片側9折。合計18折のコイが優然と泳ぎました!

完成ーーー!!では無く、一先ず第一弾が終了。

間も無く。。。入れ替え作業が行われ、、、

再び、新たな金の壁が“ドドンッ“と立ちはだかりました。

ここからは部屋の壁面に突入!高さ3.5mとさらに巨大!!!

動く台車を駆使し、竹の棒を振りかざし、大きなコイを再び泳がせます。

主級のコイが続々誕生。勢いに乗って金の線も入れていきます。

金が入ると、色の配置決め、色入れ。。。前回と同じリズムで進んで行きます。

お部屋のコイはシルバー系からブルーに変化していきます⭐︎

休憩も挟みつつ、離れて全体も眺めながら客観的な見え方も確認。

あれこれと頑張りまして、、、第二弾も10日間で仕上げ終了。

  

そして、ラストのメイン場面に突入となります!!

再び、入れ替え作業が行われ、ラストの金世界作業スタート⭐︎

チョーク→金入れ→色入れのリズムで

金入れの後に尻尾長さの調整があったりですが、片側壁面制作 repeat after

そして、ついに!!メインとなる正面の壁面に取り掛かります。

金の巨大空間に現れたのは ““ 龍 ““

通路からお部屋正面に向かって“登竜門“となっているのです♪

これほど大きな“龍“は初挑戦。

今までのコイの作業とは違うリズムで進んでいきます。

無我夢中に描き込み、キーヤンの手はチョークまみれ。

巨大な龍が舞い降りてきました!!

しかし、これはまだ画面の半分。もう半面にも描き込みます‼︎

姿を現した、もう一匹の龍。

阿吽の龍がお客様を正面でお出迎えします⭐︎

なぜその向きで⁉︎とツッコミと心配もありながらの作業。

再確認でありますがご夫妻は80オーバー。ほんまかな⁉︎と不思議になる事多々有。

しかし、いくらお元気とはいえ、6月に入り初夏の気温。

巨大扇風機を3台稼働でラストスパート!

コイの作業は終わり、龍に全集中!!!!!

カッティングシートを貼ったり、ラメも載せて、より華やかに仕上げていきます。

終盤に入り、メイキング撮影のクルーもやってきました⭐︎

そして、、、遂にサインが!!!!!

制作期間、約1ヶ月!!超〜巨大作品。カーンセーーーイ!!!!!!

唸るような鳴き声が聞こえてきそうな、迫力のある阿吽の龍

真ん中が開き、舞台が現れる仕掛けとなります。

このコイは正面に右手の壁面。こちらも舞台の扉になる予定⭐︎

第一弾、第二弾も合わせ、組み立てられる黄金の間。

豪華絢爛な空間となりそうです!!!!!

本番の組立完成の様子は次回のブログでご紹介いたします⭐︎

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Ki-Yan Works【51(コイ)Tシャツ】

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2025.03.07

今回は歌手の石川さゆりさんより、特別枠のオーダー作品

 

1月に日本人初となるMLB殿堂入りをされた、イチロー選手へお祝いの品として

“世界に一つの特別なものを“とさゆりさんよりキーヤンに相談があり

おもしろTシャツを着ていることでも有名なイチロー選手へ

キーヤン直筆Tシャツをプレゼントすることに☆

無地のTシャツに青ばなで描かれたのは“コイ“

尾っぽの角度が中々さだまらず、ピチピチしています。

背番号の51も入れられ、コイも勢いよく飛び跳ねています‼︎

染料の金で線をのせていきます。

全体に線が入り、完全に乾いたら、水をかけ青ばなを消します。

乾くと青バナが消え、金の線がクリアに仕上がりました⭐︎

ここから特別加工‼︎

金の線の上に丁寧にのりを塗り重ね、箔の下拵えをします。

“51“も同じ手順で進めます。

のりを完全に乾かし、箔シートをアイロンで定着させると

より金ピカに輝きを増しました!!!

色入れも、もちろん染料で仕上げます。

渋めに、紺と黒のコイ。少しマリナーズカラーをイメージ⁉︎

最後にサインが入って、完成です‼︎

イチロー選手の打球のように一直線に飛んでいく1折のコイ!

実は “51” の 1 がバットになっているのです♪

そして “51“ で “コイ“ もかかっているのでした⭐︎

後日、さゆりさんからイチロー選手へ贈呈され、大変喜ばれたそうです♪

今一度『イチロー選手、殿堂入りおめでとうございます!!!』

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Ki-Yan Works【東京個展 LIVEペイント】

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2025.02.28

1月に開催された東京での個展にて

17.18.19日の3日間、LIVEペイントが行われました♪

 

会場の壁にシルバーに塗られたキャンバス生地をセッティング

 

 

通りからもよく見えるポジションにて、脚立と竹の棒を携えスタートです♪

 

 

描かれるモチーフは“カサブランカ“

開始日の1月17日は阪神淡路大震災から30年

石川県の震災から1年とロサンゼルスでの大規模火災もあり、追悼の意を込め選ばれました。

 

 

中央から描き始め、画面いっぱいに大輪のカサブランカが咲く予感。。。

 

 

チョークが半分ほど入った時点で金を入れ、バランスを見て進めます。

 

そんな制作中に『タイトル貼ってた方がえぇなぁ‼︎』と

急遽、お手製のレタリングポスターを作成!!

 

キーヤンフォントで書かれた作品タイトルは “ Requiem in White “

 

タイトルが貼り出されラブペイント感が増し、カサブランカが現れ始めました♪

表からもよく見えるので通りがかりの方にも大注目⭐︎

立ち止まり沢山の方の目に留めていただきました♪ 

全体に金が入ると、花びらに白が入り始めました。

花びらが埋まると雄蕊と雌蕊にも色が入り、あたたかさが燈されました。 

 

会場には頂いたお花が飾られ、その中に咲く百合から香りが立ち込め本当に咲き始めた様でした♪

 

3日間のライブぺイント、最後にサインが入れられ7輪のカサブランカが咲き誇り、完成です!!

 

 

完成した作品は会期中に来場くださった石川さゆりさんの目に留まり『これ素敵よね』と

なんと‼︎さゆりさんの事務所で飾られることに☆

 

ユリの女王と言われるカサブランカ。名前にユリが咲く演歌会の女王の元へ♪

 

以前から壁画のご相談を頂いていた壁面サイズにでシンデレラサイズ!!!と、まるで初めから行き場所が決まっていたかのような必然で偶然のストーリーでした‼︎

 

 

 ご来場いただきました皆様ありがとうございました☆

 

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Ki-Yan Works【俳句涅槃図 解説】

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2025.02.21

年明けに西来院さんで公開された、黛まどかさんとのコラボ作品 “ 俳句涅槃図 “

個展会場でもレプリカが展示され、大きな反響をいただいております‼︎

 

今回は絵と俳句の詳しい解説をお届け致します☆

 

中央の涅槃のお釈迦さまは、まどかさんのリクエストで“足の裏“が描かれています。

※俳句解説では〈10〉となります。

 

沙羅双樹の木はウルトラマリンの生き生きとした4本の木とブロンズ、ゴールドの枯れた4本の木。

満月は俳句となり輝いています。

 

描かれた動物たちは15種

ライオン、タヌキ×2、トラ、シカ、サル、ゴリラ、ウシ、ウマ

ゾウ、ウサギ、ワニ、カバ、カメ、サイ、フクロウ

ウサギの目は3度の整形が行われ無事かわいくなりました。

 

 

人物はキーヤンが思うロックな15名が時代を超えて集結

 

左から

チャック・ベリー 、エルビス・プレスリー 、ジェームス・ディーン

アイン・シュタイン、マリリン・モンロー、オードリー・ヘプバーン

上段:聖徳太子、清少納言 

下段:ジミ・ヘンドリックス、オノ・ヨーコ&ジョン・レノン

ベートーベン、アンディー・ウォーホル、ブルーザー・ブロディー、マイケル・ジャクソン

 

※俳句解説用に番号をつけています。

 

 季節をめぐる俳句。

まどかさんのお人柄の現れる優くもほっこりとやわらかな中にも凛とさす36句に

お父様の1句が添えらた37の俳句。

 

俳句解説:黛まどかさん(2024年)

 

【春】

〈1〉春の月まどかに白砂輝かす

 釈迦入滅の日は満月でした。涅槃会の西来院の庭に月光がさし、白砂が輝く様子を一句にしました。

「俳句理槃図」の共同制作者である絵師の木村英輝氏とまどかの名を一句に詠み込んでいます。

 

〈4〉風にならむとしゃぼん玉生まれけり

 生まれては風に飛び、あっという間に空に消えていくしゃぼん玉。”風になるため”に生まれるような淡く軽やかな生のきらめきに、人の生涯を重ねました。

 

〈5〉なかんづく象の慟哭冴返る

 涅槃図では、入寂の時を迎えたお釈迦様を囲んで弟子や鳥獣が嘆き悲しんでいます。悲しみの表情とはかくも違うものかと思いますが、どの涅槃図でもとりわけ象の嘆きはしいように見えます。

 

〈6〉龍宮の使ひもエイプリルフール

 ”龍宮の使い”は世界最長の深海魚。伝説に彩られ、滅多に見ることができない神秘的な魚ですが、時折漁網にかかったり、浜に打ち上げられたりします。それがエイプリルフールの日となれば、また何か特別な意味を感じます。

 

〈7〉草々に涅槃の雨の雫かな

 旧暦二月十五日の涅槃の日、朝から雨が降りました。雨は慈雨としてあまたに降り注ぎ、草々は緑を深め、命を滴らせています。「草木国土悉皆成仏」すべてのものに仏性があり、成仏するという教えを髣髴とさせます。

 

〈8〉涅槃絵に恋猫の闇ありぬべし

 多くの涅槃絵には猫が描かれていません。理由はさまざま。春は”猫の恋”の季節です。きっと涅槃会の闇のどこかに、恋にうつつを抜かす猫がいるかもしれませんね。

 

〈9〉悲しみは空に預けて揚雲雀

 雲雀は下からは見えないほど空高くに揚がってゆきます。

空の彼方からこぼれ落ちる雲雀の鳴き声。

悲しいことを空に置きに行ったようにも感じます。

 

〈10〉春風のしきりに通ふ蹠かな

 お釈迦様は若い頃は修行に励み、悟りを開いてからは人々に教えを説くため、説法をしながら歩き続けました。労苦に満ちた生涯を支え続けた足。

その蹠(あうら )をいたわるように春風が撫でていきます。

 

〈11〉しばらくは花の下ゆく花筏

 ”花筏”とは、散った桜の花びらが水面に固まって浮くのを筏に見立てた表現です。一筋の川に沿って連なる桜並木。花後はしばらくは桜に見送られるようにその下を流れていきます。

 

【夏】

〈2〉朴の木に朴の花泛く月夜かな 黛 執

 朴は高木で、初夏に白い大輪の白い花を咲かせます。大きな葉に乗るように咲くので下からはなかなか見えません。月夜に咲く林の花はまるで木の上に泛(う)いているかのように幻想的です。

朴の花を生涯愛した父・黛執の句です。

 

〈3〉現し世を抽んでて咲く朴ひとつ

 父が他界した後に迎えた初めての夏に詠みました。

芳香を放ちながら高みに咲く朴の花。凛とした姿は、この世(濁世)を抜きん出て咲いているかのようでした。涅槃の父に捧げた一句です。

 

〈12〉道をしへふつと消えたる夕日かな

 道をしへは斑猫という虫の異称です。人の少し先を跳ぶ様子が、道案内をくれているようです。しばらく私の前を眺んでいた道をへに亡き父を重ねていました。ふっと見えなくなったのは夕日に紛れたのでしょう。

 

〈13 〉ひと雨の過ぎたる祇園囃子かな

 京都の夏の風物詩のひとつ祇園祭。お囃子の「コンチキチン」の鉦の音が特徴です。

七月の猛暑の中行われますが、夕立の後はにわかに涼風が湧き、囃子の音色も涼し気に聞こえます。

 

〈14〉今頃は四条を急ぐかたつむり

 この涅槃図にかたつむりは描かれていませんが、きっと今頃は建仁寺へと四条辺りを急いでいるに違いないと想像して詠みました。

 

〈15〉鷺草のはつかな風に羽交はす

 鶯草は、その名の通り白鷺が羽をひろげたような形状の花を咲かせます。

微かな風に揺れ触れ合う様子は、白鷺たちが羽を交わすかのようです。

 

〈16〉原爆忌音なく川のながれゆく

 原爆が広島に投下された八月六日、爆心地を流れる太田川には、猛火から逃れようと多くの人が飛び込みました。今も流れ続ける川は、果たして平和な世を流れていると言えるでしょうか。

 

〈17〉天地(あめつち )の闇をひとつに木葉木菟

 木葉木菟はふくろうの一種で、夜が更けると「ブッポウソウ(仏法僧)」と鳴きます。弘法大師空海の有名な詩にも登場する鳥です。天にも地にも闇が満ちる頃、木葉木菟の鳴き声が響きわたり、天と地がひとつになります。

 

〈18〉風涼しくて寅さんの名調子

 映画「男はつらいよ」ワンシーンです。ふらりと旅から帰って、久しぶりに家族と食卓を囲む食さん。そんな時決まって問わず語りに話し出します。

あんまり風が心地よいから、つい話に熱が入ります。「虎」の代わりに「宙さん」を描きました。

 

〈19〉木滑れ日にたたらを踏んで梅雨の蝶

 梅雨晴間に舞い出てきた蝶。雨が降りいていた間はどこかでじっとしていたのでしょう。まだ濡れている木の間を花から花へと移る様子は、少しぎこちなく見えました。

 

【秋】

 

〈20〉涅槃図の余白に蘭の香り満つ

 お釈迦様の死を嘆く弟子たちや動物などがびっしりと描かれた涅槃図。その余白には人々の声や風の訪れなどを想像することができます。余白の前にんでいるとほのかに蘭の香りがしました。

「蘭の寺」西来院への挨拶句です。

 

〈21〉傾きて傾ぎて露の道しるべ

 山の中の道しるべ。古びた道標は右に左に傾ぎながらも辛うじて立っています。どれほど多くの旅人が導かれたことでしょう。露に濡れながら今日も行くべき道を指し示す道標です。

 

〈22〉秋惜しみをり一碗の熱き茶に

 有名な禅語「喫茶去」(お茶を飲んで出直してきなさい )は、西来院開山の祖で禅僧の蘭渓道隆の言葉です。お茶をいただきながら美しい庭を眺める…行く秋を惜しむのにこれ以上の場所はありませんね。

 

〈23〉団栗の降り尽くしたる山の晴

 樫(かし)、櫟(くぬぎ)、楢(なら )など雑木山は秋になるといろいろな団栗が実ります。ほろほろほろほろ、木の実はひと秋かけて地面に降りつづけます。団栗が落ち切った山は、澄み切った秋晴の空を冠していました。

 

〈24〉蠣の木となりて子を見送りぬ

 お盆休で久しぶりに帰省した人々をまっ先に迎えてたのは、村口に立つ大きな木です。子どもの頃は何かと言えばその下に集い遊びました。休暇も果て再び故郷を離れる頃には、別れを惜しむように蠣(ひぐらし)をしきりに鳴かせていました。

 

〈25〉草の香を水の香しのぐタべかな

「草の香(か)」は秋の千草の香りを言います。

 朝露を結ぶ季節になると、いかにも秋らしい香を放ちます。黄昏どき、清冽な水が音を立てて流れています。水の香は草の香をしのぐ勢いでした。

 

〈26〉秋灯のともれば寂しともらぬも

 多かれ少なかれ人は苦悩や悲しみを背負って生きています。一生懸命働いて今日も日暮時がやってきました。ぽつりぽつりと点きはじめた秋灯。

秋灯はどこか寂しいものですが、ともらない家はより寂しさが募ります。

 

〈27〉鳥にとも巡礼にとも木守柿

 来年もよく実るように、また鳥たちのためにと木の先端に数個取り残しておく柿を「木守柿(きもりがき)」と呼びます。

昔の人の智恵ですね。秋の遍路道でときおり木守柿を見かけました。

 

〈28〉どこまでも空をひろげて秋ざくら

 秋ざくら=コスモスが一面に咲いています。風が吹くたびに海のように波立ち、花がやさしく揺れ合います。コスモス畑が続くかぎり、青空も続きます。まるで秋ざくらが空をひろげているかのように。

 

【冬】

 

〈29〉迷ひなく咲いてくれなる返り花

 初冬の暖かい日に返り咲く花を「返り花」と言います。たった一輪咲いた返り花は鮮やかな紅色で、そこだけぽっと灯がともったようでした。母の卒寿(90歳)の誕生日の朝のことでした。亡き父から母への渾身の花束だったのだと思います。

 

〈30〉雪の野に遠ざかりゆく音ばかり

 一面雪に覆われた野には動くものは見当たりません。ただしんしんと雪を降り積もらせている野。

時折遠くをよぎる電車の音や鳥の声……なべて遠ざかっていく音ばかりです。

 

〈31〉言の葉を浴びるがごとく木葉浴ぶ

 大きな木の下に立ちてっぺんを見上げると、一陣の風にたくさんの木の葉が舞い落ちてきました。

春夏秋冬を経験し、いま落葉となって一生を終えようとしている木の葉を浴びていると、尊い言葉を浴びているような気持になりました。

 

〈32〉さみどりの翅をこぼして枯蟷螂

 冬に入ると螳螂は周辺の枯木に合わせるように、自らの体の色を枯れ色に変えます。力なく歩く姿には憐れみを感じますが、隙間からちらりと見えた翅はまだ初々しい緑色で、命を感じました。

 

〈33〉仮の世の尽くる辺りへ冬銀河

 冬銀河とは冬に見られる天の川のこと。夏とは違い深夜から明け方にかけて淡く見えます。地平線に尾を垂れて横たわる冬銀河はこの世の果てへと流れていくようです。

 

〈34〉初氷かざせば空の透きとほる

 組み置いた桶の水や池の面、水溜まりなど、その冬初めて氷がはりました。子供の頃はそれが嬉しくて登校の朝にみんなで氷をはがして遊んだものです。空にかざすと、たちまち空が透き通ってみえました。

 

〈35〉綿虫の置いてゆきたる虚空かな

 冬のどんよりと曇った日、どこからともなくふわふわと綿毛のように飛んでくる小さな綿虫。まるで雪のようなので、雪蛍、雪婆などとも称されます。しばらく目の前を舞っていた綿虫が残していったのは、「虚空」でした。

 

〈36〉満天の星かたぶけて雪うさぎ

 昼間子どもたちが作った可愛い雪うさぎ。子どもが帰った後は、雪の中に残されています。雪原の上には満天の星がひろがっています。夜が更けるごとに壮大な星空が傾いていきます。

 

〈37〉月を見せむと朴一葉落ちにけり

 大きな朴落葉は地方では朴葉焼きなどお皿代わりに使われます。大きな朴の枯葉がばさりと音をてて落ちました。するとそれまで見えなかった月が姿を現したのです。まるで「月をご覧」というように。

 

 〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜

年始に納めた際には、まどかさんのサインが入っておらず

1月末日、西来院にてサイン入れが行われました。

初めてのアクリルガッシュにキーヤン愛用の筆でサインをするとあってとても緊張されていたまどかさん

見事、美しいサインが入りとってもチャーミングな笑顔で完成☆

そして、サポートしていただいたSOU・SOUさんのネーミングも入れられました☆

作品がさらにグッと引き締まり、重みが増したようです。

 

 

******~ここからは、極秘の裏話~******

 

制作過程のブログでお気づきの方もいらっしゃるかも知れませんが、、、

当初、人物を描くにあたり“歴史に残る代表的な人“をテーマに選出していた所

世界を代表するキャラクターがいても面白い‼︎と

実は、、、

誰もがご存知の、かの有名な誰もが知っているネズミさんと

日本が誇るチョビ髭オーバーオールおじさんもメンバー入りしていたのです。

しかし大人の事情もあり、戦力外通告となりました。

既に、描かれたメンバーだったので修正作業でその姿は隠されました。

ジェッソを引き直し、金色を塗り、背景と化す。

だが、しかし、跡形もなくとはいかず。。キーヤンの筆跡は健在!!

実際に近くで見ると発見できる、隠れ○○○。笑

ご覧いただく際は、こちらもアトラクションとしてお楽しみください♪

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Ki-Yan Works 番外編【中邑真輔さん直筆Tシャツ】

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カテゴリー:Ki-Yan Stuzio

2025.02.14

今回は中邑真輔ファンに贈る、中邑真輔さんフォーカスで

スタジオ訪問時の裏話をお届けいたします♪

前回の作品メインのブログは《コチラ》からご覧いただけます。

かっこいいスーツケースを引き夷川通りからお出ましです!!

スタジオに入られ、ABEMAさんの撮影が進められながら、衣装を改めて確認。いざ、試着です!

この距離感で拝見する、腕の大きさ・胸板の厚さは迫力満点!!

天井のミラーで確認する姿もカッコよき!!

百獣百花の唐獅子牡丹がさらにパワーを増したようでした☆

喜んで頂けてキーヤンも満足げでした。

仕上げにサインを入れる時は自前のカメラでその瞬間をパシャリ。

カメラマンとしても才能もお持ちで多彩ですね。と話していると

制作途中の俳句涅槃図の中に描かれた“ブルーザー・ブロディ“を発見‼︎

『僕も描いたことあるんです。』と写真を見せてくださり

アーティストの才能をお持ちで!!と驚いていたら、、、

キーヤンの無茶振り発動。

『Tシャツになんか絵描いてもらおか〜』と!!!

優しい、真輔さん快く描いてくださることに!!!!

TシャツARTを制作されることに‼︎

マジックでささっと。と思いきや。。。。。

水で消える青花で下書きから描き進められ、本格的に絵の具での制作に!!

黒の染料でねこちゃんが現れたと思いきや、にゃ、にゃ、にゃんと‼︎‘’

!!!!!自画像 !!!!!!

さらに色入れまで!!!!

ものすごい時間をかけ、ものすごい集中力で描き進められ、、、

ものすっごい作品になりそう。。。

キーヤンスタジオの机でチームキーヤン以外の作品の制作が行われている不思議。

多才で全てに真剣全力な真輔さんの一面が大きくもまる美を帯びた背中から感じ取れます⭐︎

最後に、アーティストのサインが入れられ、完成です!!!

素ん晴らしく貴重な世界位に一枚のTシャツ☆

真輔さんからキーヤンへご進呈いただきました!!

滞在時間の半分以上を制作にかけてくださった真輔さん。

ほんとに気さくで素敵な紳士でした♪

改めまして、中邑真輔さん本当にありがとうございました☆

そして元日の試合ではスタジオでの雰囲気とは打って変わって

迫力満点での入場ではチャンピオンベルトとベストマッチの衣装を纏い

見事勝利を収められました☆

その後、衣装をお借りし個展でも展示をさせていただき

真輔さんのファンの方にも多くご来場いただきありがとうございました♪

レプリカの俳句涅槃図からブルーザー・ブロディが衣装を見守っておりました。

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Ki-Yan Works【CHIRIRI 四条烏丸 別邸】

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カテゴリー:お知らせ, 壁画制作, ART PIECES, Ki-Yan Stuzio, Ki-Yan Gallery

2025.02.07

これまで沢山の店舗に壁画を納めている、京都つゆしゃぶ CHIRIRIさん

今回は四条烏丸 別邸にて壁画制作。

モチーフは東京 京橋店と大阪梅田茶屋町店に続き

“ひょうたんやの黒ひょう“

入り口で黒ひょうがお出迎えします☆

ゴールドのクロスをベースにチョークで線を入れていきます。

チョークもなかなか乗りにくいクロス。

竹の棒なしで描き込みます。

東京は右手が、大阪は左手が手前になっていますが

今回は両手揃えてお出迎え♪

シャープな顔立ちで男前な黒ひょうさんです。

いつもより少し濃いめの金で線を入れていきます。

金もまた滑り刷毛むらが出るので、一度塗り、乾くのを待ち、重ねる。それを三度ほど繰り返します。

線が綺麗に入りました⭐︎

ボディーはブラック!!

これまた刷毛むらが出るので一度塗り、乾かし。もう一度塗り重ねます‼︎

カオナシ状態のヒョウさん。

メイクアップされていきます♪

仮面をかけたような状態に!笑

目にもウルトラマリンが入れられます。

アイポイントはエメラルドグリーンでキリリとさせます。

お鼻もエンジが入り、KISSのジャケットのよう。笑

もちろん塗り進め、、、

口元もお髭のちょぼを丁寧に塗りつぶさないように塗っていきます。

全体に黒が入りましたが、もう一度塗り重ねムラを無くします!

ここで先にサインが入れられます。

高さが中途半端なので膝を着いての作業。

またもや5本指の黄色ソックスのお出ましです。笑

金色のクロス、サインの中々厄介です。。

楽観も入りサインがバッチリ入れられました☆

最後に、ハイライトのウルトラマリンを入れていきます。

お顔にも丁寧に入れて、、、

完成でーす!!!

揃えたお手手に、シャープな顔立ち、くるりん尻尾。

気立のいい、黒ひょうさんと仕上がりました☆

『よぉ〜おしやす。』と玄関でお出迎えしてくれます☆

京都つゆしゃぶ CHIRIRI四条烏丸 別邸

所在地:〒600-8099 京都府京都市下京区仏光寺通烏丸東入上柳町325
TEL:075-354-5344

アクセス:京都市営地下鉄四条駅 徒歩1分

営業時間:ランチ 11:30~15:00(L.O.14:00)
     ディナー 17:00~21:30(L.O.20:30)
定休日:不定休

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Ki-Yan Works【KITTE大阪 “雲錦“】

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2025.01.31

昨年、12月27日よりKITTE大阪にて公開中の“雲錦“のタペストリー

NEW YEAR ARTとしてキーヤン作品が皆様をお出迎えしております。

制作は、12月大型作品同時制作時期。

スタジオへやって来た 5.4m×2.7mのタペストリー。床にいっぱい!!

いざ!!座り込みでチョーク入れ開始!!

最初に現れたのは、枝振りの長いおおらかな桜。

今回はターポリンにぴったりなテント用絵の具を使用します。

金の色や、その他の色もいつもと発色が少し異なります。。

ぐんぐん伸びる桜、金入れも同時に進めます!!

桜に続いて、紅葉のチョークも入れられます‼︎

風に吹かれ、伸びやかにながれてるよう♪

そこへ、ツバメがピューと遊びに来ました♪

キーヤンマストアイテム!黄色五本指ソックスが光っています。

地べた作業は大変なので、全体を捉えた所で長いターポリンを巻き取り、机作業に切り替え。

ツバメに続いて、風と共に紅葉の絨毯へ泳いで来たのはオシドリです♪

テント用絵の具、限られた色でオシドリのカラフルな色をつくれるかが今回の難関。。

同時進行の様子が垣間見えるショット。笑

少し色が入った所で今一度、床に伸ばして全体のバランスを確認。

オシドリのカラーもいい感じです♪

ぐるぐる巻き取り机に戻し、おしどり夫婦で仲良く塗り進めます。

大きい作品でもこれができるのがターポリンのいい所⭐︎

白い桜とほんのり薄ピンクの桜。

深めのエメラルドグリーンの枝とオレンジのぼんぼりが効いています。

風に揺られリズムを刻むような、かわいい桜♪

所々にラメも入れられ、より華やかに。

心なしかツバメも嬉しそう♪

そんな、楽しげな雰囲気につられて、カワセミも何処からともなく飛んで来ました‼︎

上部からずんずん塗り進め、ぐりぐり巻き取り続いて現れたのは木枯らしに踊る紅葉。

同時進行の様子が垣間見えるショットPart2。笑

秋の風の音が聞こえて来そうな、勢い溢れる紅葉たちも色づき始めました♪

赤やオレンジで彩られ、ポイントにカラフルな紅葉が風に乗って楽しげに踊ります♪

全体のバランスを見ながら色の配置を決めるため、又しても地べたでの作業です。

雲錦の中に埋もれるキーヤン。

無心で絵にむかう背中。。。

蝋石で道路に大きな絵を描いていた子供のキーヤンが重なって見える様。

昭和・平成・令和と時代は変われど、いつもかわらぬ “儘“

いつの時代も“生きる儘“ 背中が物語っているようです。

しかし、絵のタッチや色使いは、時と共に変化(進化)をしています!!笑

永遠不変。諸行無常。

過去一、カラフルかもしれない紅葉たち!!

2枚のみ舞うブルーの葉がなんともいえない演出♪

陽の光も、まもなくの完成を祝福してくれいているかのよう。

サインが入って完成です!!

3種類の鳥が描かれるレアな“雲錦“となりました⭐︎

近頃短くなっている、春と秋の心地よい季節の風を鳥たちが楽しく巡る。

あたたかなでのびのびとしたエネルギーが溢れる作品となりました!!

スタジオではこんなに大きかった作品も現場に設置されると、少し小さく見える程です。

2ヶ月間限定の展示となります。

恋しい季節の風を体感しに、是非“KITTE大阪“へお出かけください♪

【KITTE大阪】

展示場所:1F アトリウム広場

期間:2024/12/27〜2025/2/24

営業時間:11:00~20:00

住所:大阪府大阪市北区梅田三丁目2番2号

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