Ki-Yan Stuzio MailNews
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2017.01.13

今回はKi-Yanコラム。
木村英輝先生の魅力を、壁画制作アシスタントとして、
いつも側にいる西嶋の視点でコラム形式でお伝えします。

明けましておめでとうございます!
昨年は、アシスタントの駄文にお付き合い頂きまして、ありがとうございました。
本年も、どうぞよろしくお願い致します。
―――― 壁画アシスタント西嶋

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【 Ki-Yan コラム Vol.10 】"アシスタントたるもの"

「俺は弟子はとらん、手伝ってもろてるだけや」
「俺らはチームなんや」

木村英輝のトークショーを聞いたことのある方なら、
聞き覚えのある言葉かもしれません。

よく「お弟子さんですか?」と聞かれることが多い「アシスタント」というポジション。

冒頭の言葉の通り、答えは"NO."です。

我々はあくまで先生の"オテツダイ"であり、
日々の制作を、目の前のものを、
先生の指示に基づき仕上げまでサポートする立場です。

そう、先生には"後世まで残す"意思がいい意味で全くないのです。

「後世の誰かに壁画の悪口言われても、直接ドツきに行けへんやろ。
せやから、俺が居らんくなったあとは、変な話、壁画は無くなってもエエネン。」

と、イタズラっぽくニヤリと笑う木村先生。

確かに、壁画というものは諸行無常。
オーナーが変わればビルもろとも崩されてしまったり、
耐震問題で壁紙を剥離、なんてこともしばしばです。

実は初期の書籍に掲載されている作品のうち数点は、
既にこの世のどこにも無いものになっています。

その刹那を、店と心中覚悟のオーナーの思いを受け止め、壁に"イレズミ"を施す。

それがパンフレットでおなじみの、
【落書きか、イレズミか、アートか---】の冒頭文に繋がっているのです。

そして、その刹那のビッグバン的瞬間に立ち会えるのは、
アシスタント冥利であり、緊張の連続でもあります。

アシスタントとは、受け継ぐ立場に無く学ぶべきは、
人間・木村英輝のその生き様、その奔放さ、そのロッカー精神!なのです。

具体的には、木村英輝壁画の真骨頂とも言える
下書きの時のスピードや勢い、鋭さと緊張感を仕上げまで保つこと。
それが壁画制作の命と言っても過言ではありません。

一本のチョークの下書きから力の増減を感じ取り、
金の縁取りでは強弱として肉付けし、
色で金を整えるときには、極限まで整理しシャープさを追求。
全体を見て実際の方角と照らし合わせながら、
光の差す方向を設定して、壁画全体に印影を施し、絵が持つ勢いを更に加速させる。
などなど―― 仕上げまで気が抜けません。

上記の諸々は体で覚えるほか無く、
逆に言えば、それらはとても自然なことなので、体でしか覚えられないのです。

先生「ここはな、グワーっと言ってな、シュッと納めてな。」
先生「ドーーーーンて感じで、影、入れてくれ。」

アシスタント「わかりました!(即答)」

と、先生のリクエストも実に抽象的です。笑
我々を信頼してくださっているからこそ、と、思っています。

そんな、チームとしての活動を楽しんでいる木村先生は、
雑誌などの取材にも、チームでの制作風景をなるべく取り入れたり、
メンバーの紹介をしてくださることも。

なるほど、"孤高の巨匠!"より"チームのボス!"の方が先生らしくてカッコいい。

アシスタントたるもの、限りなく木村英輝の筆であれ!
アシスタントの挑戦は続きます。

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